冷たいはずの王子様は少女にある勝負を仕掛け、甘い溺愛を注ぐ。

「相手の弱点を探らないとこの勝負には勝てないだろ」

蒼河様は私をからかうようにそう言ったのに、私が怖がるようでうずくまって顔を隠すのを見てすぐに状況を理解したらしい。

蒼河様がなんと言うか怖かった。

しかし、蒼河様は何も言わずに私の背中を優しく撫でた。

十秒ほどゆっくり私の背中を撫でて後に、私を落ち着かせるように口を開いた。




「驚かせてすまない。大丈夫だ」




蒼河様の「大丈夫」は何故か安心出来た。





「俺も眠れなくて水を取りに来たんだ。広葉を怖がらせるつもりはない。お前が落ち着いたら、すぐに自室に戻る」





今こそ私の弱点を探るチャンスだろうに、私が本気で怖がったらこの人は絶対に私を追い詰めない。

そういう人だ。