「次のパーティーは確か三週間後でしたよね？　その日はちょうど夜に予定があったんです」

「そういうことか」

あらかじめ蒼河様のスケジュールを頭に入れておいて良かった。

なんとか誤魔化せたと思ったのも、束の間。

蒼河様が一歩私に近づいた。


「なぁ、広葉。そういえば夜にお前を見たことがないが何をしている？」


ここで焦りを悟られるわけにはいかなかった。


「何をしていると言われましても……就業時間以外は自室で休んでおります」


蒼河様が私と目を合わせたまま逸らさない。

まるで瞳の奥の本心まで見透かされているような気分になる。