「広葉、次のパーティーはお前も参加しろ」

「はい?」

それはパーティーを終えて、屋敷に戻ってきた蒼河様の一言目だった。

「広葉がこの屋敷に来て、そろそろ一ヶ月だ。お前もある程度パーティーに慣れておけ。小さなパーティーだから丁度良いだろう」

「なぜメイドがパーティーに慣れる必要があるのですか?」

「そういった場所を知らないメイドの技量は限度がある。ある程度分かっておくに越したことはない」

「なるほど……パーティーの時間は?」

「時間? 午後二時から数時間ほどの予定だが……」

「ならば参加します」

「ならば?」

蒼河様にそう聞き返されて、自分が失言をしたことに気づいた。

このままでは夜の自分がいつもと違うことがバレてしまう。