冷たいはずの王子様は少女にある勝負を仕掛け、甘い溺愛を注ぐ。

私から目を離さずに、話を続けていく。






「勝負の内容は簡単。この紙に自分の弱点だと思う所を一つ書くんだ。それを当て合う」


「単純に当てられた方が負け。負けた方はもう相手の弱点を探らない。簡単だろう?」






起き上がった蒼河様の表情が逆光にならなくて、よく見えた。

楽しそうに口角を上げて笑っている。




「これなら相手のことがよく分かるし、気になっている相手の弱さも知ることが出来る。負けなければだけどな。面白い対決になりそうだろう?」




確かに主人のことを知ることはメイドにとって必要だし、何より蒼河様に弱点があるなら知りたいと私の心の奥が言っている。




「望むところです」




私がそう返答すると、蒼河様が私に一枚のメモ用紙を渡した。

私たちは無言でそれぞれの紙にボールペンで「自分の弱点だと思う所」と一つ書いた。

蒼河様が私のメモ用紙と蒼河様のメモ用紙を近くの鍵付きの箱に入れる。そして鍵を閉めた。