君の笑顔を奪いたい。

放課後。


私が教室で荷物をまとめていると、由良くんはそれをじーっと見ている。


「お待たせ」

「うん、行こうか」

「うん」


ひょいと何も言わずに私のスクバを持ち上げてくれた。


「じ、自分で持つよ?」

「持たせて、カッコつけたいんだ」

「ええ……あ、ありがとう」

「うん」


そんな会話をしている間も、周りの視線がチクチク刺さる。

す、すっごい見られてるっ……。

そりゃそうだ、キラキラな由良くんが私なんかと歩いていたら嫌でも目に入ってしまうだろう。


「チッ……」

「由良くん……?」

「ん?どうした?」


険悪な顔をしていた矢先、私を見る目はこれでもかと言うほど甘ったるい。