君の笑顔を奪いたい。

家に帰ってから、私の部屋の物はほとんどなくなっていて、由良くんの家に移動させられたのが改めて事実だとわからされた。

……その代わりに、シンプルだけど寝心地が良すぎるベッドや、カーパット。クローゼットの中には、高そうな、色々な系統の服がびっしり入っている。

おまけに、クマやうさぎなどの可愛らしいぬいぐるみもいくつかあって……きっと、由良くんがやったのだろうとなんとも言えない気持ちになったのだった。




——次の日


私は無事に家に送り届けられた。

……胸が、ざわめいている。

特に親から婚約者のことについては聞かされていない。きっと、私を揶揄うための冗談だ、そう思い込むようにしているけれど……。

いや、これは私の現実逃避だっ……荷物が、運ばれてたのに、そうじゃない可能性って、何%残ってるかな……?



その時、スマホに通知が届いた。


「……二葉ちゃん……?」



二葉ちゃんは、2ヶ月前に他の学校に編入することになっちゃった、私が高校で1番仲のいい友達。


【久しぶり!なんか学校戻れるようになったっぽい!今日一緒に行かない?】


そんな明るい、夢見たいなメッセージ。

どうして急に?と思ったが、それよりも先に手がスマホを取っていた。


【そうなの!?行こう!!嬉しい!!】


勢いよく返信をして、私は気合を入れて準備を始めた。

最後にやり取りしたのは1ヶ月前。ほんとに、ほんとに嬉しい……!




30後、行って来まーす!と大きな声でお母さんに言い、家を出た。