「赤木さん、再生リスト、見せてくれる?」
「え、えっ……!? そ、それは……っ」
「やっぱ、秘密?」
「め、めちゃくちゃ偏ってて……蒼ノ島だらけですけど……っ」
「いいじゃん。俺も蒼ノ島好きだし」
そう言ってふっと笑うその顔に、心臓がズキンと鳴った。
会社の昼休み。会議室の片隅。
この日を境に、澪の日常は、確かに変わり始めていた。
神崎圭吾の「俺も蒼ノ島、好きだよ」の一言で、澪の世界は一変した。
仕事も趣味も、すべてが別のフィールドだと思っていた“会社の人間”と、こんな形で趣味が重なるなんて——想像すらしたことがなかった。



