「志野子さん」 「はい」 「この香記録は……私の原点かもしれません。 けれど、それ以上に、あなたとの記録を、これから増やしていきたいと思っている」 静かに告げると、志野子はわずかに瞳を揺らした。 だが、何も言わず、そっと頭を下げた。 彼女もまた、その言葉の重みを、深く感じ取っていた。