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結い終えたあと、惟道先生がそっと鏡を覗き込んで言った。
「……きれいです」
「先生が、きれいにしてくださったからです」
私がそう返すと、彼は小さく笑いながら、ふいに背中から腕をまわしてきた。
「こんな朝を、毎日迎えられたらいいですね」
「……はい、私もそう思っています」
身体を預けるように、そっと背中に寄りかかると、
彼の鼓動がゆっくりと胸に伝わってきた。
この朝が終わっても。
季節が巡っても。
春が過ぎ、夏が来て、秋が訪れても――
私たちは、こうして生きていくのだと。
笑って、泣いて、少しずつ年を重ねていくのだと。
そのはじまりの朝に、私は今、立っている。



