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翌朝、志野子は目を覚ました。
体の節々が重たい。けれど、心はふわりと軽かった。
台所に立とうとして、惟道に止められる。
「今日は、私が作ります。
簡単なもので申し訳ありませんが」
「えっ……あの、でも……」
「寝てなさい。たまには、私に甘えてもらわないと」
その言葉に、志野子は思わず笑ってしまった。
(ああ……先生も、変わってきている)
これまで決して“甘えさせる”ことを言わなかった人が、今自分に“頼らせよう”としている――。
それは、きっと志野子が彼にとって
ただの同居人、ではなくなった証だった。



