春は、香りとともに。




 「お迎えに来ました」

 「えっ……わざわざ?」

 「はい。日が落ちてきたので」


 その一言に、また胸がきゅう、と鳴った。
 まるで、家族のようでいて――
 それ以上の、特別な存在として、志野子を見ていてくれる。