何もかも失ったわたしに待ち受けていたのはイケメン達との極甘な同居生活でした


「すず!しっかりしろ!」

「…すずチャンの本能がすずチャンを守ったんだよ。…翠、帰ろう。こんな所へすずチャンを連れて来た俺たちが間違っていたみたいだ」

「ああ、そうだな。お前も、この家もどうかしてるぜ。ここにいたらすずが壊れちまう」

俺はすずを優しく抱き上げた。

こんな苦しそうな表情のすずは、あの雨の日以来だな…。

「貴様ら、目上の人間に向かって『お前』とはなんだ!すずも置いていけっ!まだこいつは『使える』んだっ」

焦ってすずを取り返そうとしてくるこの男に心底軽蔑の目を向ける。

「…っひ、」

煮えたぎるほどの怒りとはこう言う感情なのだろうか。

「…すずは、この家の道具じゃない」

「翠、帰ろう。俺たちの家に」

つかさも相当な怒りを覚えているはずだ。

声が若干震えている。

背後で何やら喚き散らしているバカ男を無視して、俺たちはもう二度とこの家にすずを連れて来ないと誓い合い、素早く車を発進させた。