何もかも失ったわたしに待ち受けていたのはイケメン達との極甘な同居生活でした


…怒ってらっしゃる…。

全身から汗が噴き出しそうになる。

この状況を見れば誰だってあらぬ誤解をするだろう。

まずは、家族の誤解をとかないと…!

「おと…っ、」

「すずさんのお父様。初めてお目にかかります。私はテレビCMの制作会社に勤めております皆藤つかさと申します」

慌てて口を開いたわたしを静かに制し、普段のつかささまとはまるで別人のような礼儀正しい態度と言葉を操って、自分の名刺をお父様に差し出した。

お父様はというと、訝しげにしながらも黙って名刺を受け取るとギロリとつかささまを睨む。

「…この名刺、偽物じゃないだろうな。このCM会社ならわたしでも知っているぐらい大手じゃないか」

「恐縮です」

つかささまは営業スマイルをこれでもかとその整った顔に貼り付けている。