我が家は古い日本家屋だけれど、客間だけは洋風に造られていた。
重厚なテーブルとソファー、どれくらいの価値があるのかさっぱりわからないが高級そうな壺や絵画がこの家の主の威厳を示しているようだった。
わたし達がソファーに腰掛けて間もなくしてお父様が部屋に入って来て、その後にお父様に引っ付くようにお母様が続いた。
…わたしは、幼き頃からお父様のことが苦手だった。
鋭く皺(しわ)の寄った双眸はいつでもわたしを厳しく睨み、一度たりとも優しい眼差しをくれたことがなかった。
それに加えて若い頃は武道を習っていたらしく、故に体つきはお父様の同年代の方と比べるとだいぶ屈強で、一層近寄りがたい雰囲気を醸していた。
「…おとうさま、」
「帰ってきたと思ったら男連れか。しかも二人も」
ビクリ。
お父様の地を這うような声にわたしの全てが凍った。


