何もかも失ったわたしに待ち受けていたのはイケメン達との極甘な同居生活でした


「…すず?」

「お母様、」

「まぁっ!すずお嬢様じゃございませんかっ!!よくぞご無事で…っ」

「幸子(さちこ)さん…」

「まあまあっ!」と一番にわたしのもとに駆け寄ってきてくれたのは、長年にわたりこの家のお手伝いさんをしている幸子さんだった。

お母様はフウと深い溜息をつき、奥へと消えていった。

「…あれ、すずのお袋さんだろ?娘が帰って来たのに無視かよ」

明らかに不機嫌な声で翠さまが耳打ちしてきた。

「たぶん、お父様を呼びに行ったんだと思います」

そう、お母様は何に対してもお父様頼りで自分の意思を持たない人だから___。

「お嬢様、じきにご主人様がお見えになりますので客間へおあがりください。お連れの方々もご一緒にどうぞ」

いそいそと人数分のスリッパを差し出して翠さまとつかささまを客間へと案内する幸子さん。

「ありがとう、幸子さん」

うやうやしく頭を下げる幸子さんにひと言お礼を言うと、わたしは翠さま達と客間へと進んだ。