スターリーキューピッド

まさかまた話を振られるとは思わず、2人揃って間抜けな声が出た。


「推し? 好きな星のこと?」

「そう! 真中は何が好き?」

「うーん、見た目だと火星と冥王星かな。色合いが世界の終わり感があってゾクゾクしねぇ?」


世界の終わり……中二病じゃないんだから。まぁ、明吾のことだからウケ狙いで答えたんだろうけど。


「副委員長さんはー?」

「あぁ……えーっと……」


早急に太陽系の星を脳内に登場させる。


どの星も違った魅力があって素敵だけど……好みと言われたら難しいな。今まで考えたことなかったもん。

無難に地球か、でもお月様も捨てがたい。いっそのこと太陽を選ぶ?

うううっ、星座なら「蟹座だよ」って即答できるのにぃぃ。


頭をフル回転させた結果、絞り出した答えは──。


「水星、かなぁ……」

「小さくて、灰色のほうの?」

「うんっ。写真によっては、お月様に似てて面白いなぁって」