スターリーキューピッド

仲良く声を揃えて謝ると、一目散に逃げていった。


「良かった、間に合って。2人とも無事?」

「うん。私は平気」

「来てくれてありがとう」

「いえいえ。俺1人じゃ追い払えなかっただろうから。お礼ならこのマッチョに言って」


友清くんが隣のお兄さんを指差した。


「助けてくださって、ありがとうございました」

「いえ。怪我はないですか?」

「はいっ。おかげさまで無傷ですっ」


立ち上がって頭を下げる。

切れ長の目に逆三角形の輪郭。上半身には厚みがあり、むき出しの両腕は筋肉質で……。


「はじめまして。フカガミ イッシンといいます」

「四居 美月です。……失礼ですが、フカガミさんは、地球の方では……」

「はい。2人と同じく、惑星の化身で、僕は火星から来ました」


やっぱり……。

友清くんによると、私からの電話に出たタイミングで、ランニング中の彼に遭遇して。

言い争う声が聞こえて不安を感じ、一緒に来てもらったのだそう。

確かに、この外見なら、よっぽど強い人でない限り敵に回そうとは思わないよね……。

その後、公園を出るも、「3人だけだと心配だから」と言われ、彼に駅まで送ってもらったのだった。