スターリーキューピッド

立とうとする私に優しく言い残すと、ベンチを探しに行ってしまった。


「調子に乗りすぎたわね……」

「買い物中は、いつもあんな感じなんですか?」

「ううん。時と場合によるけど、基本優しいよ。今回は連続でワガママに付き合わせちゃったから、それでツンツンしてるだけ」


弱々しく、自嘲気味に笑う愛香さん。

今月で2回目だもんね。前回よりも量多いし。


「お姉さんたち、今お時間あります?」


反省中の愛香さんを励ましていると、すぐ近くで声がした。

顔を正面に向けたら、男の人が3人。歳は愛香さんと同世代で、20代前半くらい。

髪型も服装もオシャレだけど……どことなく胡散臭さを感じる。


「どちら様? 勧誘ならお断りよ。見ての通り爆買いしちゃったから」

「ぶははっ! お姉さん面白いね〜!」

「大丈夫だよ〜。金欠なら俺らが奢るからさ♪」

「今ちょうどあそこにキッチンカー来てるし、お茶でも飲みながらお話ししない?」