スターリーキューピッド

思わず語尾が強くなってしまった。

なんでこの場にいない人の名前を出すんだよ。心臓に悪いなぁ。

「わかりやすいね」とクスクス笑う彼をジト目で睨みつけた。






モール内をぶらつくこと数時間。あっという間に門限の1時間前に。

気分転換と休憩も兼ね、現在、ショッピングモール近くの公園にやってきたところ。


「ふぅ、歩いた歩いた」

「……大荷物の俺よりも先に座るのか」

「あぁ、ごめんごめん」


慌てて立ち上がり、買い物袋をベンチに下ろす愛香さん。

今回も筋肉痛確定かな……。

荷物持ちにされた彼を気の毒に思いつつ、自分もベンチに座るけれど……。


「ちょっと、これじゃ俺が座れないんですけど」

「座れるよ。こうやってどかせば」

「なんで人様の荷物を膝に置かなきゃいけないの」

「私、代わろうか?」

「いいよ、そのままで。俺あっちで休んでるから。時間が来たら電話して」