スターリーキューピッド

放課後。晩ご飯の買い物をしに近所のスーパーにやってきた。

持ってきたこしあんをカートに置く。


「ありがとう。疲れてるところ悪いわね」

「いいって。明日休みだし」

「あと他に必要なものはあるかしら?」

「そうねぇ……」


買い物メモを片手に確認する母。

上段には、もち米ときな粉と、先ほど持ってきたあんこ。

下段には、牛乳と缶ビールと、値引きシールが貼られたお肉や菓子パンなど。

かごの中は大量の食品で埋め尽くされている。


「あ、砂糖がもうなかったんだった」

「砂糖ね。いつもの?」

「うん。茶色の」

「今から持ってまいりますわ!」

「あっ、わかる?」

「ええ! もちろん!」


自信に満ちあふれた返事。だけど、する前に一瞬表情が固まっていたので、一応付き添うことに。

「ぼたもち、ぼたもち〜♪」とルンルン気分で歌う珠夏の後ろを歩いていると……。


「あ! 明吾くん!」

「おっ、珠夏ちゃん。美月も」