スターリーキューピッド

珠夏と七海ちゃんが向かい側にあるゲームセンターを指差した。

行きの車の中でも話してたから、寄るのはほぼ確定だろう。

ゲームセンターかぁ……。特にやりたいやつないし、ガチャも気になるものないもんなぁ。

見るだけでも楽しめそうだけど、30分以上もかけて来たんだし……。


「わた……」

「俺らはいいや。そのへんブラブラしてるから、ごゆっくりどうぞ」


「他のお店見てるね」と言い出そうとしたら、先を越された。

30分後に電話すると伝え、二手に分かれて近くの雑貨屋さんへ足を運ぶ。


「さっきはありがとう」

「いーえ。俺も他んとこ見たかったし」

「よくわかったね、私が興味ないって」

「幼なじみですから。昔からあんまガヤガヤしたとこ好きじゃなかったしな。顔見てすぐわかったよ」


幼なじみの勘と、私の好みを熟知しての発言だった様子。

まぁ、あの場で1人だけ別行動だと、気を遣わせてしまうよね。

一緒に過ごせるのは嬉しいけど、一目でわかるくらい顔に書いてあったのか……。