スターリーキューピッド

「他の人たちも? 友清くんと同じように?」

「うん。水星以外の星も、先代も、みんな同じ感覚だったって言ってた。今のところ、地球への強い思いが引き起こしたんじゃないかって話になってる」


何百年の歴史を持つも、未だに原因は不明なのだと。

言われてみれば、海に大地に雲に、カラフルな色合い。さらには人間や動物、植物といった生物もいる。

殺風景な環境にいるなら興味が湧いてもおかしくないか。


「友清くんにもご先祖様がいたんだね」

「そっか、地球人にとっては先祖になるのか」

「家族……誰かと同居はしてる、よね?」

「そりゃあね。ここでは未成年だし。家では木星と2人で住んでるよ」


見せてもらったスマホ画面には、恰幅のいい中年男性が映っていた。

一見穏やかで優しそうだけど、中身はものすごく活発で、学生時代は海外留学したり、バックパッカーで世界を旅していた時期もあったんだとか。


「日本には夏頃の予定だったんだけど、色々あって一足先に来てもらったんだ」

「じゃあ、友清くんが来る前には、既にここに?」

「うん。俺も、元は日本に来る予定はなかったんだけど、最近、世間が騒がしいからさ。少しでも力になれたらって」

「あぁ……」