スターリーキューピッド

理由はわかった。けど、それとこれとは話は別。水星出身だと証明できるものがないと。


「……ちょっと来て」


しばらく考え込んだ後、おもむろに席を立った友清くん。

連れてこられたのは、パソコンの前。


「すみません、星座の勉強をしたいんですけど、使っていいですか?」

「はい。どうぞ」


図書室の先生に許可を取ると、慣れた手つきでパソコンを操作して……。


「ホロスコープ……?」

「占星術で使われる天空図のこと。簡単に言うと、星座占いの詳しいバージョン。今出てるのは、現在の空の様子ね」


円形の中のマークを指差しながら、1つずつ解説する彼。

日付と時間と場所を入れると、太陽や月などの天体がどの位置にいたかがわかるらしい。


「適当に日付を言ってくれたら、水星の位置を当てるよ」

「ほんとに? どれだけ昔でも?」

「あんまり昔……江戸時代とかだとちょっと時間かかるけど。完璧に答えてみせるよ」