スターリーキューピッド

「久しぶり。まさかクラスメイトになるなんてね。用事には間に合った?」

「はい。なんとか」


丁重にお断りした彼が、今度は私に話しかけてきた。


「え、2人知り合いなの?」

「まぁ。ちょっと、ね」

「先月、学校の下見に来てたらしくて。転校生って言ってたから、軽く案内してたの」


目を丸くする朝佳ちゃんに慌てて説明した。

偶然再会しただけなのに、含みを持たせた言い方しないで。誤解されたらどうするの。


「これも何かの縁ってことで、仲良くしてくれると嬉しいな。ちゃぱ……」

「四居です。改めて、よろしくお願いします」


隣の席とはいえ別の班だし、あんま絡むことはないと思うけど……。

そう心の中で付け足し、やや引きつった笑顔を貼りつけて握手したのだった。