スターリーキューピッド

バレー部3人組に相づちを打ちつつ、右隣の空席をチラ見する。

座席表に名前が載ってなかったから、もしかすると……とは思ったけど。


目をつむり、机の下で手のひらを合わせる。


いや、でもでも、まだ男子ってだけだし。あんなに大人っぽかったんだから、きっと上の学年だよ。

あれで13歳、14歳なりたてなんて、奇跡のビジュアルとしか──。


「入ってどうぞー」


先生の呼びかけの後、ドアの開く音がした。

一瞬静まり返ったものの、「やばっ、かっこよくない?」「モデルみたい」と興奮する声が耳に入ってきて。


「はじめまして。友清 整二(ともきよ せいじ)です」


恐る恐る目を開けたら、自称水星人のイケメンくんがにこやかに自己紹介していた。






新しい仲間が加わったところで、本日の時間割をおさらい。

1時間目は始業式、2時間目はホームルーム。

3時間目は、掃除も兼ねた入学式の準備。

私たちのクラスは会場のセッティングを任されたため、再び体育館へ向かった。