スターリーキューピッド

春はお花見、夏はキャンプ。秋は紅葉狩りに、冬は鍋パーティーと、家族ぐるみで交流しているのだそう。

家族ぐるみはないけど、毎年遊んでいる部分は私たちと似てる……。


「美月ちゃんって呼んでいい? 私のことも朝佳でいいから」

「あっ、ずるい。俺も! 改めてよろしくね〜」

「う、うんっ。よろしく」


朝佳ちゃんと馬場くんとそれぞれ握手を交わす。

類は友を呼ぶって、こういうことなのかな。

グループに途中加入してきた私を温かく迎え入れてくれて。しかも私だけ帰宅部なのに、気まずい顔1つも見せない。

はじめはちょっと不安だったけど……安心して過ごせそうだ。


──と、安堵したのもつかの間。


「ホームルームを始める前に、転校生の紹介をします」


始業式を終えて教室に戻ってくるやいなや、担任の先生から衝撃発表が行われた。途端に教室中がざわつき始める。


「転校生だったんだ。私てっきり欠席の人かと思ってた」

「俺も。場所的に男子だよな?」

「どんな子なんだろ。運動好きだと嬉しいな〜」