スターリーキューピッド

ピタリと足を止める。


「本来は公園の予定だったんですけど、準備に手間取ってしまって。それに時間も押してたので、急きょ……」

「えっと……」

「すみません。こんなの言い訳ですよね」


私が口を挟む隙も与えず、一方的に白状すると、「本当に申し訳ありませんでした」と深々と頭を下げた。

一気に情報が入ってきたもんだから、脳内がフリーズしている。


つまり、ミステリーサークルは、このイケメンくんが作ったもの。

謎の轟音も、地響きも、彼が起こした。


「さっきのお巡りさんに自首してきます」

「ああっ、ちょっと待ってください!」


踵を返そうとする彼を慌てて引き止める。


「事情はわかりました。けど……本当に、あなたなんですか……?」

「はい」

「っ……誰かに脅されてるとか、庇ったりしてるわけじゃなくて?」

「はい。サークルも爆音も地響きも、全部僕がやりました」