スターリーキューピッド

すると、前から男女2人組のお巡りさんが歩いてきた。

すれ違いざまに会釈して、立ち入り禁止となった校庭にチラリと目を移す。


「近くで、何かあったんですか?」

「あぁ……はい、実は……」


その瞬間、今朝の光景がよみがえってきた。

転校前の彼に不安を与えないよう、昨日の出来事も含めて簡潔に話す。


「被害がなかったのは良かったけど、1日に何回もやるって。とんだ迷惑ですよ」

「確かに、そうですね」

「真っ昼間ならまだしも、夜中に、しかも学校? 悪質にもほどがありすぎる」


だんだん口調がトゲトゲしさを増していく。

念のため、修了式の日まで見回りしてくれることになったのは心強いけれど……。

1日でも早く、犯人が見つかってほしい。


「だから学校はやめておけって言ったのに……」


ラッキーアクションのことも忘れて腹を立てていると、隣から溜め息交じりに呟く声が聞こえた。


「朝から夜まで、お騒がせしてすみません」

「へ?」

「……実はあれ、僕のせいなんです」