スターリーキューピッド

すると、前方の曲がり角から長身の女の子が飛び出してきた。


「おっ、早見(はやみ)! おはよう!」

「あぁ、ん、おはよう」


部活仲間の彼らに気づいて足を止めた彼女。

だけど、急いでいるのか、挨拶が早口で、全体的に落ち着きがない。


「どうした? 先生にでも呼ばれた?」

「いや。さっき二葉(ふたば)先輩から連絡が来て……」


明吾に返答しながら肩掛けバッグを漁り、スマホを取り出すと──。


「学校の運動場に、変な模様ができてるんだって」


見せてもらった画面には、公園で目にしたのと全く同じ模様が映っていた。






写真が撮られた場所は、3階の2年生の教室。

送り主のマネージャーさんが言うには、登校したら、クラスメイトが窓際に集まっていて。

見てみたら、運動場の真ん中に丸い模様が現れていたのだと。


「うわっ、なんだあれ」

「通勤ラッシュかってくらい混雑してるな」

「うちらみたいに、話を聞きつけたのかもね」