スターリーキューピッド

タックルする勢いで乱入してきた馬場くん。

昨日までは襟足長めだったのが、爽やかさ全開のベリーショートになっている。

性格が似てるから仲良くなったんだと思うけど、イケメンは友達までもイケメンなんだなぁ……。

彫りの深い綺麗な横顔を眺めていたら、ふと彼がこちらに目を向けた。


「あっ、昨日の可愛い子! 四居さんだっけ? おはよう!」

「お、おはようっ」


眩しい笑顔にぎこちない挨拶を返す。

そう言ってもらえるのは非常にありがたいけれど……正直、私にはもったいなさすぎるんだよなぁ……。

身長も体型も平均値。見た目も地毛が明るいってだけで、ずば抜けた容姿をしているわけではない。

唯一の強みは、上の下に入る学力。
まぁ、上の上の明吾に比べたら、自慢できるほどのレベルじゃないけれど……。

謙遜したら気まずい空気になりそうなので、ここは笑顔で受け取っておく。


「そうだ、2人とも聞いた? 昨日の夜、またあったらしいな」

「聞いた。寝てたから気づかなかったけど、今朝お父さんとお母さんから……」