スターリーキューピッド

広大な芝生のグラウンドの中心。

まるでその部分だけ草が刈り取られたかのように、色が剥げていた。

どうして……一体誰が、なんの目的でこんなことを……。

すると、唖然とする私の隣で……。


「もしかしたら、さっきの轟音と何か関係があるのかもしれんなぁ」

「地震の前触れ、とかですかね?」

「それか、UFOが墜落したんじゃね!? ほら、最近ネットとかテレビで話題になってるじゃん!」


馬場くんが興奮気味に口を開く。

“今年の夏、大きな災いが訪れる──”

文明の終わりなのか時代の転換期なのかは知らないが、世間ではそんな予言が飛び交っている。


当たっても当たらなくても、世代問わず盛り上がれるもの。

それが予言の長所だとしたら、短所はやや信憑性に欠けるところだ。

毎朝やってる占いも似たようなものではあるけれど……今みたいに恐怖心を煽るような、ネガティブな内容が多い印象だからなぁ……。

正直なところ、情報が多すぎてよくわからないというのが本音だ。


家族の意見も聞くべく、写真に収める。


とはいえど、見れば見るほど、やっぱり不思議。

だって、あんな轟音に、地響きも鳴ってたんだよ? 仮にUFO説だとしたら、そのへんに欠片とか燃えかすとか、散らばってるはずだよね?

人間のイタズラ説だとしても、こんな手の込んだことする余裕、あるかなぁ……?

色んな説を考えていたら、市役所の人と警察の人がやってきてしまい、追い出される形で公園を後にしたのだった。