スターリーキューピッド

笑っているけど、俺が見ている屈託のない笑顔じゃなくて。苦笑いに近い笑顔だった。

見るたびに胸が締めつけられるので、卒業してからは1度も開いていない。


「でも、明吾は悪くなくね? むしろ被害者のほうだろ」

「そうなんだけど……」


噂のきっかけはクラスメイト。

だが、美月が孤立した原因は、俺にある。

それは、美月が乱入する数分前──。


『あのさ、毎日毎日からかってるけど、飽きないの?』

『冗談? そう言えば何言っても許されると思ってるんだ?』

『この先やっていけないよ、ねぇ……。見事なブーメランだな』

『さっきから言い逃れしてばっかで自分の行いを省みないあんたらに言われる筋合いないと思うけど』


美月の目には、俺が絡まれていると映ったのだろう。

けど……本当は、俺が彼らをあの場に呼び出したんだ。

俺が余計なことをしなければ、美月を1人にさせずに済んだんだ──。