スターリーキューピッド

叫びそうになるのを抑えるあまり、のどから変な声が出た。


「前々から怪しいなぁとは思ってたんだよ」

「い、いつから……!?」

「バレンタインのチョコを毎年作ってもらってるってとこから。やけに自慢してたし、目もキラキラしてたし、顔もイキイキ通り越してデレデレしてたし」


カーッと沸騰するお湯みたいに、顔が熱くなるのを感じた。

とっさにメニュー表で顔を隠すも、整二は容赦なく続けて……。


「確信したのは、愛香と遭遇した時だな」

「なん、っ、どこが……」

「文房具買ってただろ? 定規だったっけ」

「あれは、ひび割れてたから買い替えようと思って……! 狙ってお揃いにしたわけじゃ……」

「……俺、まだ定規しか言ってないんだけど」


焦るあまり、墓穴を掘るはめに。

あぁ、わかりやすいってこのことか……。

墓穴だけに、穴があったら入りてぇ……。

なんて、自嘲気味に笑いながら、ぐでんとテーブルに突っ伏す。


「明吾も星座好きだったんだな」

「美月ほどじゃないけどな。話聞いてるうちに興味持ったって感じで……」