スターリーキューピッド

1人だけ内容も日付も違ったため、惑星の観点──占いの観点から、再度予言について調べてみたのだ。


「実は、去年の秋から今年の夏にかけて、木星以降の惑星が立て続けに移動してるんだ」

「木土天海、と、冥王星?」

「そう。この5つは、社会と時代を表す星って言われてて。これらの星が星座を移動してるタイミングで、転換期を迎えてることが多いんだ」


丁寧に解説してくれた友清くん。

どうやら、惑星だけでなく、12星座それぞれにも性質や特徴があるらしい。

例えば、牡羊座は即断即決即行動。牡牛座はじっくりコツコツなど。

サクサクムードからスロームードに変わったら、そりゃ世間もビックリするよね。


「個人的には、木星以外の4つが凶星と呼ばれてるから、ああいう怖い予言が出てきたんだと思う」

「あんまりいい星じゃないの……?」

「悪い影響があるってわけじゃないんだけど、意味がね……。土星は試練や忍耐、天王星は突発的な出来事、冥王星は破壊と再生で、ネガティブな意味合いが強いんだ」

「そう、なんだ……」


次々に出てくるインパクトのある言葉に、声が徐々にしぼんでいく。


「でも、あくまで予言だから。外れることもあるし」

「地球は、無事……? 大丈夫……?」

「うん。少なくとも、隕石がぶつかるとかはないから」


そう言っているけれど、図書室での出来事もあってか、心臓が不穏な音を立て始めている。

情報が多すぎてよくわからないと言ってたのに、一瞬でここまで変わるなんて。

今はただただ、何も起きないことを祈るしかできない。


「大丈夫。俺らがそばにいる」


別れ道に着くまでの間、友清くんは優しく背中を擦って励ましてくれた。