スターリーキューピッド

「良かったなー、整二」と笑う明吾。

反応はいいけれど、なんか、いつもより棒読みな気がするような。


「美月も毎日鍛えてんの?」

「いや、週に3回くらい……なんでその話を」

「整二から聞いたんだよ。公園で朝から筋トレ教えてもらってたって」


ムスッと、彼の口がへの字に曲がる。


「鶏のササミは美味かった?」

「うん。胡椒が効いてて食べやすかったよ」

「車の乗り心地も良かった?」

「良かったよ。ふっかふかで、いい匂いもしてて、帰りは思わず寝そうになったくらい」


正直に答えているだけなのに。答えれば答えるほど、どんどん口角が下がっていく。


「筋肉トークも、面白かった? ためになった?」

「うん」

「シールは保管するの? 使うの?」

「……やきもち焼いてるの?」

「はぁ!? 違うって! ちょっと、羨ましいなぁって思っただけで、やきもちなんて……」