夢の本がふたたび光を放ったとき、菜々美は胸の奥に、なにか大きな終わりが近づいているのを感じていた。
「夢界の中心に“ひび”が入ってる……」
案内役の声は、これまでよりもかすかだった。
その言葉のとおり、空も地もわずかに揺れている。
いつもはきらめいていた雲も、どこか色あせていた。
「あと少しで、夢界は崩壊してしまう。
でも、希望はある。夢界を支えている“核心の言葉”を思い出せれば、未来をつなげる」
そのために必要なのは、最後の謎を解くこと。
中央の祭壇に置かれていたのは、一枚のクロスワードだった。
【夢界の言葉】
次のヒントから、空欄を埋めて言葉を完成させよう。
たての言葉
1.夢のなかで迷ったときに必要なもの(し〇〇)
2.だれかの気持ちに寄りそうこと(〇〇わり)
よこの言葉
A. 夢をまもるために自分の中にある(〇〇〇じ)
B. 仲間とつながると強くなる(〇〇い)
「それぞれ、みんなで答えを出そう!」
裕樹が声を張ったが、空気はピリピリと張りつめていた。
コーディが、すこし離れた場所で腕を組んでいた。
「なにか言いたいことがあるの?」
裕樹が聞くと、コーディは静かに口を開いた。
「ぼくは、最初から夢界を守ることに疑問を持っていた。
現実で夢を持つのは、簡単じゃない。
それを忘れて、ただ夢の世界を美しくするのは……ちがう気がした」
その言葉に、空気がぴんとはりつめた。
「それでも、“夢”がなきゃ進めないこともある」
裕樹がまっすぐに言い返す。
「夢を持つことが、間違いでも、弱さでもない。
むしろ、現実を生きる力になる。
夢界は、そういう“場所”なんだよ」
二人の間にしばらく沈黙が流れた。
やがて、コーディがぽつりとつぶやいた。
「……信じてみたい。仲間の言葉を」
その瞬間、空の色がやわらかく明るくなった。
クロスワードのヒントが、すこしずつ浮かび上がる。
たての答え
1,しんねん(信念)
2.きくばり(気配り)
よこの答え
A. いしじ(意志)
B. しんらい(信頼)
「完成した!」
五人の声がそろった瞬間、言葉の力が夢界に広がっていく。
あふれ出した光が世界の“ひび”をつつみ、ゆっくりとふさがっていった。
夢界は、静かに、確かに、再生を始めた。
「夢界の中心に“ひび”が入ってる……」
案内役の声は、これまでよりもかすかだった。
その言葉のとおり、空も地もわずかに揺れている。
いつもはきらめいていた雲も、どこか色あせていた。
「あと少しで、夢界は崩壊してしまう。
でも、希望はある。夢界を支えている“核心の言葉”を思い出せれば、未来をつなげる」
そのために必要なのは、最後の謎を解くこと。
中央の祭壇に置かれていたのは、一枚のクロスワードだった。
【夢界の言葉】
次のヒントから、空欄を埋めて言葉を完成させよう。
たての言葉
1.夢のなかで迷ったときに必要なもの(し〇〇)
2.だれかの気持ちに寄りそうこと(〇〇わり)
よこの言葉
A. 夢をまもるために自分の中にある(〇〇〇じ)
B. 仲間とつながると強くなる(〇〇い)
「それぞれ、みんなで答えを出そう!」
裕樹が声を張ったが、空気はピリピリと張りつめていた。
コーディが、すこし離れた場所で腕を組んでいた。
「なにか言いたいことがあるの?」
裕樹が聞くと、コーディは静かに口を開いた。
「ぼくは、最初から夢界を守ることに疑問を持っていた。
現実で夢を持つのは、簡単じゃない。
それを忘れて、ただ夢の世界を美しくするのは……ちがう気がした」
その言葉に、空気がぴんとはりつめた。
「それでも、“夢”がなきゃ進めないこともある」
裕樹がまっすぐに言い返す。
「夢を持つことが、間違いでも、弱さでもない。
むしろ、現実を生きる力になる。
夢界は、そういう“場所”なんだよ」
二人の間にしばらく沈黙が流れた。
やがて、コーディがぽつりとつぶやいた。
「……信じてみたい。仲間の言葉を」
その瞬間、空の色がやわらかく明るくなった。
クロスワードのヒントが、すこしずつ浮かび上がる。
たての答え
1,しんねん(信念)
2.きくばり(気配り)
よこの答え
A. いしじ(意志)
B. しんらい(信頼)
「完成した!」
五人の声がそろった瞬間、言葉の力が夢界に広がっていく。
あふれ出した光が世界の“ひび”をつつみ、ゆっくりとふさがっていった。
夢界は、静かに、確かに、再生を始めた。

