2人が具体的にどんな会話をしたのか私は知らないけど、あの日以来、大我は成瀬くんが大好きになったことは明らか。
大我にとって成瀬くんはしるべとなった人だったのだと思う。
『お姉ちゃん!成瀬さんってとってもカッコいい人だね!』
そうキラキラした瞳で言い放った大我の姿は目に焼き付いている。
「成瀬くん、また大我に会ってあげてほしいな。夏休み中は大我を塾に連れていくこともあると思うから」
「もちろんだよ。俺も大我くんに会いたいからね」
そんな話をしていたら先に私の最寄り駅に着いて、成瀬くんとは別れた。
”成瀬光輝”という人物は、大我だけではない、私にとってもヒーローだ。
私の家庭はもう壊れていて真っ暗。
だけど、そんな生活の中でまばゆい光を放つ”成瀬光輝”という星に
───私達、姉弟は焦がれているんだろう。



