始まりは偽彼氏、でも本気の恋




私が目を覚ましてから初めて会った成瀬くんの表情は忘れられない。



自分が大切だと思う人達にこんな顔をさせるなんて最低だと心の底から思ったから、無茶はしないと決めた。



爆発してしまうまでため込まない、私の周りには素敵すぎる人達がいるのだから。



それからかな、塾帰りに成瀬くんと一緒に帰ることが増えた。



それまでは時間が合えば時たま一緒に帰ろうという流れになるだけだったけど、成瀬くんから誘ってくれることが多くなった。



きっと私のことを心配してくれているのだろうと思うから、今もそれに甘えさせてもらっている。



自分が勝手に無理をすることで周りの人が悲しむことを身をもって知ったから。



私は周りの人には幸せでいてほしいから。



自分が悲しむ原因となってはいけない、大切な人達の表情を曇らせてはいけない。