始まりは偽彼氏、でも本気の恋




「うわぁ結構混んでるね。島さん、大丈夫?」



駅に着いて電車に乗り込むと、もう21時過ぎの時間なのにかなり混みあっていた。



金曜日だからみんなどこかに寄ったりして、ちょうど帰る時間なのかもしれない。



明らかに学生の人も酔っているサラリーマンの人も、付かれている顔をしたOLの人もいる。



肩がぶつかるほどではないけど、電車内は混みあっていて自由勝手に動けるスペースはあまりない。



背が低いわけではない私でも周りが高い人だらけだと埋もれてしまう。



「島さん、こっちおいで」



電車の壁側の位置を確保してくれていた成瀬くんのところに寄ると、スペースを空けてくれて壁に寄り掛かる形となった。



そんな私の前に成瀬くんは立ってくれて、私に窮屈な思いをさせないようにしてくれているのだと分かる。