始まりは偽彼氏、でも本気の恋




「ハハッ、島さんは分かりやすいよね」



「...そう言われても嬉しくないんだけど」



私、そんなに内側の気持ちが表情に出るタイプではないと思うんだけどなぁ。



周りにはもっと分かりやすい萌花や忍くんがいるから。



「褒めてるんだけどな?」



「それはどうもありがとう」



あまりふざけた感じではない雰囲気で言ってくれたので、何となくお礼を言っておいた。



元はと言えば成瀬くんに教えてもらうようお願いしたのは私なのに、考え事にふけっていた私が悪い。



せっかく成瀬くんに教えてもらえるんだから、ちゃんと集中しないと。



「なんて言ってる場合じゃないね。私が集中してなかったのが悪いからごめん。改めて教えてください」



私が頼み込んだせいで彼の貴重な時間を奪っているのだから。



「島さんはやっぱり素直で分かりやすいね」



なんて素敵な笑顔で言いながら、改めて教えてくれた。