「あぁもう、本当にずるいなぁ。俺の彼女は」
「こんな彼女は嫌い?」
「まさか。大好きだよ」
そう言って近づいてくる光輝くんの姿に私は目を閉じた。
「さぁいよいよ最後の花火です!今年のグランドフィナーレ、しっかりと目に焼き付けてください」
そんなアナウンスが聞こえてきたのに、目を開けることはしなかった。
「....俺も大好きだよ」
耳に言葉が届いたと思った瞬間に、唇に温かい温度が触れ合った。
どちらとも離れることはできなくて、しばらく唇は触れ合ったままだった。
耳には大きな花火が打ちあがり、盛大な拍手が起こっている音だけが聞こえてくる。
だけどこの目を閉じた真っ暗な中でも、好きな人と触れ合えている今が何よりも幸せ。
この瞬間が永遠に続けばいいのに───。



