「ねぇ愛莉、今から俺の話を聞いてくれる?」
「.....?うん、もちろんいいけど...」
私が話し始めたから光輝くんも何か伝えるべきことを見つけたんだろうか。
今でもフィナーレに向かって、夜空には大輪の花達が咲いているのに、私達は見つめあっていた。
「俺ね──ずっと好きな人がいるんだ」
「.........え」
心臓がドクンと嫌な音をたてた。
今まで熱かった体に冷水をかけられたように、急激に体温が冷えていく。
何か言わないとって思うのに、口を開いても言葉がのどに突っかかって出てこない。
ショック、悲しみ、申し訳なさ、戸惑い、色んな感情が一気に巻き起こってきて処理しきれない。
だって光輝くんには好きな人がいたのに、彼氏役をお願いしてしまったの?
そうしてこんな大切な夏の期間の時間を奪ってしまったの?



