【完】始まりは偽彼氏、でも本気の恋




「俺も楽しかったよ。愛莉の彼氏役ができて嬉しかった」



光輝くんがそう思ってくれていることが分かって、私は何より幸せだ。



彼を後悔させていたらとずっと不安だったから。



高校2年生の夏に好きでもない人の恋人役に付き合わせて、彼の時間を奪ってしまったことは紛れもない事実。



せめて後悔だけはしてほしくないと思っていたんだよ。



あなたは優しいから私のわがままに付き合ってくれて、自分の時間をくれた。



でも──今のフィナーレが終われば私と彼の関係はただの塾仲間。



”愛莉と光輝くん”から”島さん、成瀬くん”の関係に戻る。



周りの人にはどうやって説明したらいいのかまだ決めきれないけれど、光輝くんのことだけは悪者にしたくない。



どうにか上手くごまかしてこの事実が風化されるのを願うだけ。