【完】始まりは偽彼氏、でも本気の恋




嬉しくて温かくて幸せで、だけど泣きそうで切なくて苦しい。



「そろそろフィナーレのお時間となります。最後の最後まで目に焼き付けてください」



一番聞きたくなかった言葉がアナウンスから聞こえてきて、一気に切ない気持ちが広がっていく。



──あと数分でこの時間が終わってしまう。



そのことに気づいてしまえば、どんどん胸の中に言い難い切なさが広がっていく。



そんな切ない気持ちを押し殺しながら隣に座っている彼を盗み見をしてみると──



彼は輝いた目で夜空を彩る花火を見ていた。



空に打ちあがる花火に照らされるその横顔は、今まで見てきた中で一番綺麗だと思った。



この顔を今見られるのは世界で私、だけなんだ.....。



そう思うと嬉しくて、この時間が終わればそうじゃなくなるという事実が悲しくて。