【完】始まりは偽彼氏、でも本気の恋




「人混みの中、お疲れ様。今日は楽しもうね」



「....うん。...ごめん」



最後に小さく謝った声は彼に届いていたのか分からない。



だけど、彼が近づいて頭を撫でてくれたからきっと届いてたと信じたい。



その頭を撫でてくれた手はいつもと変わらない優しさを含んでいたから。



光輝くんのこんな優しい手で撫でてもらうなんてこと、今日が最後。



この日を過ぎたら今まで通りではいられなくなる──。



「2人も来たことだし、さっそく行こうぜ。もう屋台も出てるし!」



「そうだね。愛莉と原野さんは浴衣だからゆっくり行こうか。人混みだと危ないからね」



「確かにそうだな。何かあったらすぐ言えよ?」



「さすが成瀬くん!優男すぎる!」



こういう時にサラッと気遣い発言できるところが光輝くんの魅力のひとつ。



何度ドキッとさせられたか分からない。