「光輝は自責の念から自分の怪我が軽かったと思い込んでいるだけ。本当は一刻の油断も許さない状態だった」
本当に酷い怪我の方が逆に痛みなど感じないこともあると聞く。
もしかしたら光輝くんは限界の寸前だったからこそ、あまり痛みを感じることすらない領域に至っていたのかもしれない。
「でもあの頃の光輝にそんなことを言っても絶対に信じてくれない。ずっと自分を責め続けていたから」
自分が起きた時には既にお父さんは亡くなった後だったと言っていた。
自分だけが助かり、父は亡くなった。
その事実が自分を責めることでしか受けとめることが出来なかったのかもしれない。
「その頃の光輝くんは....どんな様子だったんですか?」
「ずっとうつむいていたわ。泣きもしなければ喚きもしない。心が失われてしまったみたいだった」



