始まりは偽彼氏、でも本気の恋




一万円札が8枚。



何の書き置きもメッセージもなく、お金が入っているだけ。



「大我....来た?」



ソファに座っている弟に聞くと



「....ううん。僕は会ってない」



「そっか。ありがと。もうすぐ夕飯出来るからね」



「はーい!」



手に握っていたお金が入っていた封筒をぐしゃりと握りつぶして、ポケットに入れる。



そして出来上がっていた料理をテーブルへセッティングしていく。



少し手抜きっぽくなってしまったけど、遅い時間だから仕方ないと自分に言い聞かせる。



「よし、セッティング完了。大我、準備できたから食べよっか」



私は大我と向き合って座る。



「「いただきます」」



気づけばもう20時手前。



小学生の大我にここまで夕ご飯を待たせてしまうなんて、最悪だ。



成長期だしちゃんと規則正しい生活をしてほしいから。