本当はもっと綺麗なお別れをしたかったけど、あの言葉を言うだけで精一杯だった私には無理だった。
だって私、本当は光輝くんにキスをされて嬉しかった。
今でも前髪に温かい感触が残っていて、体中がむずむずする。
だから光輝くんに謝ってほしくなかったし、後悔してほしくなかったから。
ただ、それだけを何とか伝えたかった。
あの拙い言葉で伝わったのかは分からないけど、汲み取るのが上手い彼ならきっと分かってくれると信じてる。
───もう、ごまかすことなんてできない。
今日1日、光輝くんと初めてデートをして彼の素敵なところを今まで以上にたくさん知った。
自然とエスコートしてくれること、私のことを知らない間に観察してくれていること、子どもと遊ぶのが得意なこと。
新たに知ることができた一面はどれも素敵すぎて、ますます抜け出せなくなる。



