それが、光輝くんからのキスだと分かるには数分かかった。
私の前髪のところに光輝くんがキスをしたのだと。
そう自覚した途端、顔が急激に熱くなっていく。
光輝くんはそっと離れたけど、何も考えられなくて光輝くんのことを見れない。
だって私絶対、今変な顔してるから。
「.....ごめん。だけど愛莉の表情見てたら我慢できなかった」
彼はする前と後、両方で謝った。
本当に申し訳ないと思っていることが分かる。
「あ、謝らないで。....嫌じゃなかった、から...」
緊張しすぎて声が震えた。
でも、光輝くんが謝ることはないから自分の拙い気持ちを伝えておきたかった。
私はされたことが嫌で俯いてるんじゃない、嫌悪してるわけじゃない。
「それだけ、伝えたかったの。...じゃあ、今日はありがとう!」
この空気にいたたまれない気持ちになって、光輝くんの顔を見れないままお礼を言って駅に駆け込む。



