始まりは偽彼氏、でも本気の恋




「手、繋いだままでいい?」



「えっ、手...?」



驚いて、今も繋がれたままだった手を見つめてしまう。



「うん。このまま離したくないなって」



にっこりと笑顔で言う彼は自分の破壊力を分かっているのか。



無自覚でやっているのなら、タチが悪すぎる。



「.....今日は光輝くんのわがままを聞くって決めてるから、いいよ」



「やった!じゃあこのままでよろしく」



改めてしっかりと手を繋ぎ直されて、今までよりもしっかりと温もりを感じられた。



こんな可愛くない返答しかできない私に、偽彼女だからって優しくしてくれるのは君しかいないよ。



「じゃあ行こっか?」



「うん!」



左手に感じた温もりが、心の奥まで入ってくるみたいに温かくなる。



今だけは今日だけはこの温もりに甘えさせて───。